こんにちは、
フリーゲームプロデューサーのうきょうです。
わたしは小学生高学年(長男)がいるのですが、彼が1年前ぐらいにNINTENDO SWITCHでフォートナイトを始めました。
そこで見せてくれたゲームの中の世界、フォートナイトの世界、リアルな社会にまで影響を与えたことについて少し書いてみたいと思います。
実に興味深いのと、大人にも伝わる、伝えておくことがたくさんあると思ったので、今回の記事を書いてみました。
知らない方向けに超簡単に説明しますと、最大100名で同時にプレイできるサバイバルゲームです。基本的には相手を倒してチームで勝利したり、個人での勝利を目的として楽しみます。
プレイできる環境はとても多くて、PC(Windows/macOS)、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、iOS、Androidと多岐に渡ります。しかもプレイは無料!
NINTENDO SWITCHでプレイしていても、「NINTENDO +」に加入せずとも遊べるので、めちゃくちゃ良心的なゲームです。
そして、他の機種の友達とも一緒に遊べる点も見逃せない。インターネット回線は必要になりますが、何かしらそこそこの機械があれば、ID登録などをするだけで簡単にプレイできます。
目次
- ボイスチャットで広がるコミュニティ
- 最初は怖いと言っていた息子だが
- とにかくうるせぇ、白熱しすぎw
- 暴言、ハラスメント、煽り、嘘の横行
- 小学生をカモにする承認欲求が強いキッズ
- ステイホーム期間はLINEの変わりのコミュニケーションツールになっていた
- Eスポーツに憧れる
- 子供達にはゲームをやらせよう
- ネットワークとコミュニケーションと経済が関係するゲームは社会の1つになる
- 仮想空間でもすべては自己責任、自己防衛が必要
ボイスチャットで広がるコミュニティ
フォートナイトの特徴はなんといってもボイスチャットで行うコミュニケーション。ゲームを快適にプレイするためには、スピーディに局面が展開するゲーム性に対してテキストチャットだけでは追いつかないので、みんなボイスチャットを前提でプレイします。
当然我が息子もボイスチャットやり始めました。
最初は怖いと言っていた息子だが
そもそも大人であっておボイスチャットでゲームをプレイするのはよほど気心知れた人だとかでない限りは恐ろしいものです。
子を見守る大人としても、知らない人とボイスチャットをしたりつながったりするのは望ましいことではないです。
そもそもインターネット、特に日本では15歳以下の人はインターネットを介在して個人情報のやりとりなどは原則禁止をしていますし、欧州ではGDRPという法律に準拠しない場合は多額の罰金があるほど、世界ではプライバシー保護の流れも強固です。
ということで、とりあえずは同級生と繋がり始めたわけですが、やはりやっている人が多くて、あっという間に20人ぐらいと繋がりました。
いつもプレイしている常連は6〜8名のようですが、フレンドリストには同級生がずらりといます。
ゆえにボイスチャットは盛り上がります。
白熱します。
そして暴言が飛び出し始めます。
とにかくうるせぇ、白熱しすぎw
ボイスチャットとゲームの操作に慣れまくると、次は勝利への執念へと新しい目標が子供の中で湧き上がります。
とてもわかりやすい心境の変化です。
やってみて慣れてきたら新しい目標を得る。理想の変化ですねw
そうなると弱い人に対してマウンティングをする人が出てきます。時に暴言を吐くこともあります。そしてその関係性はリアルにまで影響をしはじめます。
これはめちゃくちゃよくない影響だと思い、よく静止をかけますが、親の中でもこの行為は問題だと認識する人が多くなります。
結果どうなるか?
ゲームの中止です。
わかりやすいですねw
精神的に未熟な子供の場合はわかりやすいですが、強い人が崇拝され、弱い人の形見が狭くなり、やがてフェードアウトしていきます。
1年間の間でも新しい友達が入ったりするものの、コミュニケーションやリアルにまでの影響度を懸念してゲームを禁止された子供もいましたし、ゲームをやめておこうという御家庭までたくさんありました。
当然の流れでしょう。
暴言、ハラスメント、煽り、嘘の横行
そして当たり前ですが暴言、ハラスメント、煽り、嘘の横行もとても目立ちます。これは特に野良部屋といって、知らない人たちとマッチングする場合に起きる傾向です。
私は子供がフォートナイトをするときによくボイス内容を聞かせてもらっているんですが、知らない人という形での繋がりは本当に危険だなと思いました。
とにかく暴言、ハラスメント、煽り行為が多いです。
それで傷ついた小学生の子供が怖くなってゲームをやめたケースもありました。
暴言をする人はブロックなどで対処はできますが、1人をブロックしたところでも根本的な解決にはなりませんから、なかなか難しい問題だと思いました。
根本解決は、知らない人とやらないか、特定ワードをミュートするとか、ゲームそのものをやらないという選択肢しかないのかなとか。
小学生をカモにする承認欲求が強いキッズ
で、よく出てきたのが、有名プレイヤーの名前を語るキッズです。有名プレイヤーを名乗り、変なサイトへ誘導してくるやつ。
まじでこんなやつおるんやと思ったけど、1ヶ月に1回ぐらい出てきてますね。(あ、ちなみに我が家はあえて野良プレイをさせています。親監視の元で)
フォートナイトは小学生がめちゃくちゃ多いので、当然その小学生をカモりたい人も多いということでしょう。とはいえ、たとえカモったところで何かが起きるわけではなく、ちやほやされたい承認欲求に飢えたレベルなので可愛いものですが、巧みな会話でサイト等に誘導しようとしたり、個人情報を聞き出そうとしている奴がいたときは通報案件でしたね。
本当、親御さんはこういうタチの悪い人にだけは気をつけて欲しいと思います。
ステイホーム期間はLINEの変わりのコミュニケーションツールになっていた
一番驚いたのがこれ。
小学生は携帯電話を持たない人も多いので、コミュニケーションの手段がありません。
そんな時、フォートナイトにつないで宿題の相談とか宿題の範囲を確認したり、雑談することをよくしていました。
たまたま海外に転勤になった同級生もいましたが、時差を計算してつながって、「今どうしてる?」「元気?」「勉強なにやってるの?」とか、ゲームそっちのけでコミュニケーションツールとして活用していたのがとても興味深かったです。
フォートナイトがもう1つのコミュニケーションツールになっていた。上記の言葉の危険性はあるにせよ、立派な社会がそこに出来上がっていた。それが一番の驚きでした。
Eスポーツに憧れる
そしてもう1つの影響がこれ。今やたびたびニュースでも聞くことがあると思いますが、Eスポーツが大ブームです。
2019年7月のフォートナイトでは16歳の子供が300万ドルを獲得したことで、さらに注目度も高まりましたし、子供も憧れの職業として注目するようになりました。eスポーツ「フォートナイト」、米16歳が世界制覇し300万ドル獲得コンピューターゲーム「フォートナイト」の世界大会が27日、米ニューヨークで開かれ、アメリカの16歳の少年がソロ部門で優勝しwww.bbc.com
実際、我が子の自由研究は「ゲームで稼ぐためにはどうすればいいのか?」をテーマにして書いていて、最初はe-sportsの話で進めていましたが、製作者サイドの話にまで膨らんでいって、お金はこうやって回ってるんだなという、業界全体の構図をチャートに書いていましたw
それ以外でも今はTVでもe-sports関連の番組も多くなったり、取り上げられることが多いので、より注目度は高まっているなと思いますので、関心度も必然的に高いのだろうと思います。
子供達にはゲームをやらせよう
私は職業がゲームプロデューサーです。ゲーム会社です。
ゲームが大好きです。
妻はときどきゲームばかりする息子をしかりますが、私はできる限りいろいろなものを体験して欲しいと思っています。
それはゲームが見せてくれる可能性や市場、社会形成の面白さが体験できるからです。
もちろん、ゲームだけをプレイすればいいとは思いませんし、変化や機微が少ないアプリゲームを永遠とプレイすることはあまり推奨はしていませんが、ゲームはCMもそうだし、売り方もそうだし、遊び方も今はとても多様になってきていますし、フォートナイトやどうぶつの森などは本当に実生活に影響を与えるまでのものをもっています。
ネットワークとコミュニケーションと経済が関係するゲームは社会の1つになる
実際私はゲームを作ったり運営してきている中で、ネットワークとコミュニケーションが自由にできるオンラインRPGを数多くリリースしてきました。
そしてそれはゲーム性にもよりますが、お問い合わせの大半が「差別、ハラスメント、嫌がらせ行為」に関する内容なんですね。
もちろん、ブロックする機能や、個人でフィルタリング、鍵をかける機能などがあるにもかかわらず、それをしないでそういうことをされたからなんとかしてほしいという問合せが後を立ちませんでした。
その背景には、「誰かと繋がりたい」「でも嫌な思いはしたくない」「自分の思うように楽しみたい」「できれば気の合う人と友達になりたい」「でも迷惑をかけたくない」という、相反する複雑な思いを抱えているからなのではと思っています。
正直その領域は、個人間の問題なので、余程の迷惑行為出ない限りは対処は行えないのですが、ゲームという世界であれば管理者がなんとかしてくれるのが当然だ!という誤った解釈を持っている方が多いことも、この問題が減らない問題だとも断言できると思います。
仮想空間でもすべては自己責任、自己防衛が必要
そういう背景から、いくら仮想空間やゲームの世界であっても、使えるツールが解放されているだけであって、その用途すべてを監視、対処できるわけではない。
いやむしろそれは自己責任ですよというのがこれからのサービスの在り方であることが多いと思いますので、そこはきちんと踏まえたうえで、利用者側も使わないといけないのだと言えます。
かといって、それが嫌だから全部を遮断するという選択肢をとっていてばかりでも何も新しいことは得られないのも事実ですから、小さくやってみて、ダメだったら対処を都度考える、という流れは、子供も大人も変わらないのかなと感じています。
PS
「どうぶつの森」の「かぶ」システムって本当にいろいろな意味で子供い対して優秀な学習ツールだと思いますが、それはまた別の機会にでも書いてみたいと思います。