【海外パブリッシャー向け】海外アプリを日本で成功させるためのカギ

この記事は海外タイトル、海外ゲーム、海外webサービスを日本でサービスしたい方向けへのパブリッシャー様に向けた記事となります。

私はここ10何年間ぐらいで中国、台湾、韓国を中心に、日本市場へゲームタイトルを輸入したり、日本のサービスを海外へサービスするお仕事を経験してきました。(何を手掛けてきたのかは職務経歴書などをご参照ください)

ここでは、私が得た経験を元に、海外パブリッシャーの方が注目すべき、日本で成功するための要素をご紹介したいと思います。厳密に言えば、成功しやすくなる確率を上げるための方法、要素ですね。

本記事は高い価格であるため、事業者向けの記事となります。日本展開時は翻訳、サービスコーディネート、出資、JV含めてご相談ください。

Ways to succeed in the Japanese market that foreign apps should be aware of.

上記のアプリ「ブレイブリークロニクル」は韓国のベンチャー企業で開発。イラスト、タイトル、BGMなどは日本版に作り直してリリース。日本サービス時は2か月で事前登録10万。2週間のセールスで1億近くを突破したタイトル(公開情報)です。しかし、あることがきっかけでわずか4か月ほどで終了になったタイトル。それは事前に看破できないことが原因でした。。。

そんなケースも含め、下記では記事を展開しておきます。

目次

  1. ■日本サービス「成功」の定義
  2. ■「成功事例」「失敗事例」を知る
  3. ■マーケティング担当者が意識すべき3点
  4. 【成功ポイント1】他国でサービス経験がある
  5. 【成功ポイント2】アップデートストックの充実
  6. 【成功ポイント3】日本市場にあったマーケティング活動をすること
  7. ■日本でも良くある失敗事例4点
  8. 【失敗事例1】集中トラフィックで予期せぬバグが頻発し、緊急メンテの連続となるケース
  9. 【失敗事例2】特定タイミングで不具合が起きる
  10. 【失敗事例3】アップデートが全然されない → 課金要素がない
  11. 【失敗事例4】人が全然集まらない
  12. まとめ
  13. ■日本成功のスモールステップ6
  14. ■最後に

■日本サービス「成功」の定義

まずはじめに、ここで語る「成功」の定義を記載しておきます。それは「3年以上の運営ができること」「コストが改修できて黒字転換すること」「黒字化運営」です。

理由としては、

・アプリ開発費の回収には3年近くの時間がかかる

・3年以内に完全回収を急ぐと、無理な広告費が必要になる

・短期回収を目指すとスタッフが疲弊する

今はリピート課金率を含む、LTV(ライフタイムバリュー)を意識し、長い運営を行っていくことが、スタッフもしかり、お客様もしかり、長い運営ができる(=黒字運営期間が長くなる)可能になる秘訣です。

開発費どーん。TVCMどーん。ランキングどーん、みたいな、
ホームランを狙いたい方は本資料を見る必要はありません。

■「成功事例」「失敗事例」を知る

これを読むことで、アプリ成功の秘訣、および、よくある失敗事例を知ることができ、成功確率を高められるようになります。ただ、下記に該当する場合も読む価値はありません。

日本の有名IPを使ったプロダクト

かつ日本以外ですでに成功している場合、すでにそのまま持ってきても成功する確率は大です。


・自社で運営初となる場合

残念ですがこの資料だけでは成功する方法をお伝えできませんので見直しが必要です。まずは小さくてもいいので自国での課金サービスを行ってください。


・日本以外の国でサービスしたけれど大失敗してしまった場合

少なくともダメだったところを分析して、改修してから持ち込みましょう。

■マーケティング担当者が意識すべき3点


海外アプリを日本展開する際に
押さえておくべき重要な成功ポイントが3つあります。

【成功ポイント1】
他国でサービス経験がある

運用実績があれば成功する確率は大きくアップします。やはり様々なトラブルをあらかじめ経験していることや、対処法、予期せぬユーザーの挙動や不具合などを事前に確認できているのはかなり有利です。

数字の動向なども見て取れますので、日本でサービスをする際には
各種ゲーム内でのデータが取れているわけですからテコ入れも容易ですね。

ちなみに、私自身が過去経験してきた、サービス開始時にまつわる失敗例を次のページで記載しておきます。日本で製作して、日本で展開したアプリでも実際に体験した事例です。

【成功ポイント2】
アップデートストックの充実

アップデートのストックを含め、コンテンツボリュームを用意しておくことは海外ゲームでなくても、成功のためには必須条件の1つです。

あわせてアップデートのしやすさが仕組みとして存在することも超重要です。ストーリーや演出重視型のゲームも担当者がスクリプト等で更新できるぐらい、運営ツールが充実していることが望ましい状態です。

また、課金コンテンツにおいても、中国タイトルのように、至るところに課金したくなる仕組みを散りばめておくことも重要です。課金者ができるかぎり定額サービスに課金しておけるようコンテンツがデザインされていることは理想系です。



【成功ポイント3】
日本市場にあったマーケティング活動をすること

そして最後は集客面でのポイントです。コンテンツはそれぞれに適したターゲット、適したPR方法がありますので、最適な媒体で、最大限に効果が発揮できるコピーで集客と獲得を目指します。

あるマーケッターは、SNSの数=コンテンツパワーと思っている人も多いですが、全てがそうとは限りませんので注意が必要です。(代表例が「妖怪三国志」など)

しっかりと自社サービスを分析して、どのような遊び方をして欲しいのか、
定着してほしいターゲットはどこかを分析して、効果的な手法論で効果測定を行いながら、PRしていきましょう。

ここでは少し補足として、日本でも良くある、押さえておくべき失敗事例をご紹介いたします。

【失敗事例1】
集中トラフィックで予期せぬバグが頻発し、緊急メンテの連続となるケース

クローズドベータテストや、botなどによる負荷テストだけでは
サービス時のリスク検証が十分とは言えません。

DB設計、認証周り、メモリ使用量などに加え、クライアント側での挙動も含めて、仕様と設計を注意深く確認しましょう。

ある程度、どうしても本番で動かしてみないと分からないこともありますが、念には念を入れて事前チェックをしておきましょう。

稼働状況やトラフィックにあわせてサーバースケールの縮尺ができるように体制を組んでおくことも大事です。

【失敗事例2】
特定タイミングで不具合が起きる

実際にあった運用時の失敗例をご紹介いたします。


・プレゼントボックスに突っ込んだアイテムの期限が自動的に切れるとき

・夜中の12時を回ったとき、イベントやアイテムが日替わりで変わるとき

・ログインボーナスの日程が終了したり、新しく自動的に始まるとき

このような、特定のタイミング、特定の挙動の発生時、予期せぬトラブルが発生するケースが多々有ります。

運営して30日とか、60日経過して発生する致命的なバグなども過去ありましたので、何かが切り替わる、期限が切れるなどのシステム設計、および仕様、タイミングにも意識しておきましょう。

【失敗事例3】
アップデートが全然されない → 課金要素がない

いざサービスがはじまったものの、新しいイベントは始まらないしアップデートも行われない。

開始早々からバグや不具合が多すぎる、というのはサービス終了フラグです。これはもう開発設計のミス、または運用時の人員配置ミスなどが起因しますが、ゲームの作りがガチガチのハードコーディングで、運営ツールもない。

運営担当だけで更新が行えない、というのはかなりサービスとして致命的です。更新がないと課金要素も少ないだけでなく、課金要素の魅力も薄れますので、課金率も1%を下回り、収益性も悪化の一途をたどってしまいます。

【失敗事例4】
人が全然集まらない

こちらも実際にあった失敗例です。

・「三国志」を日本でサービスしたいとした場合

日本で三国志ジャンルは出尽くしていますので、集客難易度は激高いです。何かのお墨付きか、強烈なコラボを仕込む必要が不可欠です。

・ゲームとかけ離れたPRを展開

たまにゲームと一切関係ないグラビア満載の発表会やタレント満載の発表会で終始「?」と思うようなPRしかしていないタイトルを見かけることがあります。

この場合、だいたい集客に超失敗していています。代理店の一方的な押し売り、権力者の強烈なエゴでゲームと関係のないPRをするのは避けましょう。

■まとめ

アプリサービスで重要なポイントは、プロダクトがしっかりしてさえいれば、ある程度は集客次第で望む売り上げを作れる可能性は高いです。

しっかりしたプロダクトとは、

・安定した運用が可能
・持続的なアップデートを含めたサービス提供が可能
・課金方式が充実している

ここさえしっかりしていれば、あとはどうやって集客していくのか?に
集中できます。海外アプリを日本展開するにしても、まずはプロダクトがしっかりしていることがなにより超重要です。

次のページからは、実際にどういうステップを踏んでいくのかをご紹介いたします。

■日本成功のスモールステップ6

成功例と失敗例を参考にして、下記のステップを参考にしてアクションを起こしてみましょう。

1.他国サービス状況を見て、そのまま日本でサービスできるか分析

2.改修ポイントがあったら洗い出す(まだ改修しない)

3.日本サービス元を探す(自社サービスする場合は不要)

4.日本市場のプロにアドバイスやテストプレイして意見をもらう。改修ポイントをどうするかはここで判断。

5.得たい結果にリーチできそうかを分析。ダメだったら再検討

6.実際に準備に取り掛かる

■最後に

今回は海外のアプリパブリッシャー向けに記事を書いてみました。大手、日本IPを使用していない企業様は、ぜひこの記事を参考にして日本に進出すべきかどうかをご検討ください。

ご相談はいつでも受付けますが、できればまずは自国での成功、最低限運用を実施した後の検討をオススメします。アプリ開発をして「日本で展開したい!」というのはキット並々ならぬ想いがあると思います。

その強い想いをできる限り魅力的な形にして、世の中にアピールして、利用者も幸せになる一助になれば幸いです。

読んでいただきありがとうございました。

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