今回はゲーム業界を参考に話を進めますが、すべてのビジネス、SNSで集客している人向けにもきっとお役に立つと思う情報です。
ゲーム業界での事例
現アプリの課金要素
日本アプリゲームのトップ150にいるうち、約90%以上のアプリの課金比率がガチャ依存で成立しています(2019年8月現在、GooglePlayのランキング等を参照)。
各アプリの売上げ比を大体分析すると
①ガチャ:約90%以上
②スタミナ回復、ポイント回復系:5%
③時間短縮系などのメニュー
④アバターなどの1回買い切りアイテム
⑤期間限定で効果が得られる月額課金モデルのメニュー
⑥サブスクモデル
※今回ゲーム以外の課金モデルについてはあまり触れません。実際、今はゲーム外でのマネタイズプランも超充実しています。アプリを広告等として利用し、イベントやグッズ、その他のビジネスモデルでの課金形式も登場してきています。
何回か私のnoteでも取り上げていますが、②、③、⑤、⑥を取り入れていて高い売り上げ比率を占めるタイトルは現時点では数少なく、日本のアプリではあまり見かけません。
どちらかというと、北米、中国はここを意識したゲームデザインであることが多いのも理由の1つかと思います。北米においては環境要因も未だ根強くあることめ理由ですね。でも、グローバルで売れている。
日本でこの形式をやろうとすると、ゲームデザインの設計が市場て合わず、さらに薄利多売になりがちのため、運営戦略としては「集客方法」「コミュニティ運営」などがユーザーとタイトル持続性のカギを握ります。
日本のゲームプロデューサー、マーケッターは「マネタイズ」以外の視点に極端に疎い
ゲーム開発をする際、「マネタイズ」要素については必ず触れていきますし、仕様設計に組み込みます。当然テスト版ができたときも、ちゃんとマネタイズが回るようになっているのかを確認します。
が、いろいろな各社から話をお伺いする限り、それ以外が見えていないのが大半の事業責任者だったりプロデューサーだったりマーケティング担当者です。
その話を現場から聞いたことは一回もなく、言語として口にした方は2~3名ぐらい。大手メーカーの社長さんのみでした。
前回少し触れましたが、マーケティング担当者が開発会議などから参加しているケースはほぼありません(実体験や話を聞く限り)。
ある程度プロダクトができてから初めて売り出し方などに対してプロジェクトジョインしていくケースがほとんどですす。
が、はっきり言ってこれは時代遅れの取り組みであり、結果に対しては運です。だって広告メニューはほぼ決まっていますからね。
できたプロダクトに対して要素を切り出して広告して、新規にフォーカスして結果を判断するわけです。新規がたくさん取れたら「マーケのおかげだ」という勘違いをし、新規が取れなかったら「プロダクトが良くないんだろうなぁ」という勘違いをするわけです。いずれも勘違いです。
お金などが潤沢にある場合だったらいいですが、これからは個々が有効にプロジェクトを作っていく時代になると思っているので、そんな取り組み方では持続的な成長は無理です。
そのため、プロダクト設計時点からプロデューサーや事業責任者は売ること以外の視点を意識しておく必要があるのです。
その視点とは何でしょうか?
重要なのはユーザー資産の形成
「マネタイズ」は超重要です。当たり前です。これがないと始まらないですからね。でも「マネタイズ」の元はどこからきているのか? どこを「マネタイズ」するのかまでをあまり検討していない場合が多いです。
理由としては、ゲームはキャラクタービジネスになり切っているところが多くて、キャラクターや装備をガチャにしているケースがほぼ100%に近いです。
でも、なぜそれがマネタイズできるのか、なぜお客さんはそこにお金を払いたくなるのかまを深く理解しておらず、理解するには少し別の視点が必要です。
重要なのはユーザー資産の積み上げ
では一体どこに視点を移すのか? を言いますと「資産(アセット)」に目を向けることです。「資産」とは、例を挙げると、お客さんからの信頼・安心・尊敬・感謝などです。
さらに具体例を挙げますと「任天堂」や「ポケモン」です。これらは親が子供に対して無条件で買ってくれやすい代表例ですよね。
「任天堂」なら安心、安全、尊敬、信頼、感謝、がたくさん積みあがっています。
この土台があるからこそ、次々と発売する商品も安心して買いやすく、お金も払ってもらいやすいです。
アプリの「ファイアーエムブレム」はガチャモデルを採用しています。(オフィシャルにはガチャではないと公言していますけどw)。「ファイアーエムブレム」は元々有名IPタイトルとして歴史がありますのでそれだけでファン形成も資産資産もある状態ですが「任天堂だから大丈夫だろう」っていう謎の安心感でたくさんの人が課金をしていますよね。
もちろんゲームとしての出来も素晴らしいですが、ファンの資産を形成できているIPを上手く活用しつつ、新規で新しいお客も取り込みつつ、今も持続的に成長しているタイトルの1つです。
「マネタイズ」と同じようなレベルで「ファンタイズ」、「アセッタイズ」が重要!
資産(アセット)の形成、そしてファンの育成、ファンの形成、それがとても重要な要素です。
資産を作り上げることやファンの形成は、ある意味ブランドを積み上げることに近いことだと思います。そのため、地道な努力と継続力が必要です。巨額の広告費を積んで形成できるものではないんですよね。
アプリサービスの良くないところは、アプリ事態がどこの会社から配信されているのかが認知されづらいこと。タイトル単位でファンが重複しづらいところがあります。
そのため、ある特定のタイトルではファンの形成などが上手くいっていても、横のつながりが希薄なために、新しいタイトルを立ち上げたときにそちらのファンや資産形成がゼロスタートになりやすいということもあります。
そのため、今後のアプリ開発においては、資産形成、ファン形成を意識した戦略も必須であり、さらにそこからマネタイズの要素などを考えたゲームデザインなども重要になってくるということです。
言い替えると、アセッタイズやファンタイズとはお金を払ってくれる人の数を増やすことであり、マネタイズとはお金を払ってもらうことです。
マネタイズだけを意識をしているとファンやお金を払ってくれる人を増やせないので、長期的に行き詰ってしまいます。マーケティングと同じで刈り取りばかりを意識していては持続性は難しいってことですね。
私が提案する価値観や世界観の1つに、少しでも長くサービスを継続していきたいという考えはそういう理由からもあります。タイトルやサービス、会社をブランドとして資産形成していきたいという願いがあるからです。